空飛ぶくじら

世界の美しさを封印

2018-01-01から1年間の記事一覧

・今年の11月最後の日、ヒョウとみぞれが降った。少し明るかった空が急に翳り、ゴツゴツと音がしたと思ったらたくさんのヒョウが降ってきた。仕事中だったわたしは手を止めて咄嗟に上司と顔を見合わせ、窓の外を見ると小粒大の氷の塊が降っている。ヒョウ…

恋と酸欠

宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩を何かの節目によく思い出す。モラトリアムの闇の中に希望を見出すような、とにかく10代の頃に出会ってよかった作品だと心底思う。熱心に仏教研究をしていた宮沢賢治の自己犠牲を美徳とする聡明な死生観は、わたしに…

台風の子孫

昔から、雲の流れが速いのをみて、上流域とわたしが立っている地上との差を感じるのが好きだった。ちょっとしたタイムラプス動画を見ているようで、変に心がワクワクした。台風の前兆、あの嵐の前の静けさが好きだ。 毎日毎日せわしなく生きる日々の中で、ふ…

コットンタオル

今年に入ってから何千㎞移動をしているか、自分でも計り知れないくらいには移動している。ゲルマン民族もびっくりの大移動である。 乗り物酔いを全くしないので、本を読もうがお菓子を食べようが逆立ちしてようがへっちゃらなんだけど、どうしてもぼんやりと…